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相続Q&A

おひとりさまの相続では、異母兄弟は法定相続人になりますか?

Q. 私(城陽市)は、独身で一人暮らしをしています。子どもはいません。昨年、父母が立て続けに亡くなりました。私には、姉(宇治市)と異母きょうだいの弟2人(精華町)がいます。私は弟たちとは全く交流がありませんが、私が死んだら、姉と一緒に弟たちも相続人になりますか。
A.「私」が姉や弟たちよりも先に亡くなった場合は、姉や弟たちが法定相続人になります。ただし、法定相続分は、姉が2分の1、弟たちが各4分の1となります。これに対し、「私」よりも先に姉や弟たちが亡くなった場合は、「私」の甥や姪がいれば、甥や姪が「私」の姉や弟たちに代わって法定相続人(代襲相続人)となります。

1.法定相続人                             

誰が相続人となるかは民法で定められていて、被相続人(故人)の配偶者は常に相続人となります(民法890条)。配偶者以外の人は、被相続人の子、被相続人の直系尊属(父母など)、被相続人の兄弟姉妹の順序で配偶者とともに相続人になります。

詳細は、以下のQ&Aをご参照ください。
≫Q&A おひとりさまの相続では、誰が相続人になりますか?

2.おひとりさまの法定相続人                         

「私」が姉や弟たちより先に亡くなった場合

今回のケースでは、「私」は独身で、配偶者も子どももおらず、父母は既に亡くなっています。祖父母も既に亡くなっているのであれば、姉や弟たちが「私」の法定相続人になります。たとえ、「私」が弟たちと全く交流していなくても、弟たちが法定相続人となることに変わりはありません。

もっとも、姉と弟たちの法定相続分は同じにはなりません。被相続人(故人)と父母の一方を異にする兄弟姉妹の相続分は、被相続人と父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。今回のケースでは、姉の法定相続分は2分の1、弟たちの法定相続分はそれぞれ4分の1となります。

もし、「私」が全く交流のなかった弟たちに自分の財産を相続させたくないと考えるのであれば、遺言書を作成することをお勧めいたします。

≫遺言書を作成したい方へ

「私」が姉や弟たちより後に亡くなった場合

姉や弟たちに子ども(「私」からみた甥や姪)がいれば、甥や姪が「私」の法定相続人となります。法定相続分は、例えば、姉に息子(「私」からみた甥)が2人いるときは、甥たちの法定相続分は4分の1ずつ(姉の法定相続分2分の1÷甥の人数)です。

なお、姉や弟たちに子どもがいない場合は、「私」の法定相続人はいません。この場合は、誰かが相続財産清算人の選任を家庭裁判所へ申し立て相続財産清算人が選任されると、「私」の遺産が国庫に帰属する手続が開始します。ただ、この「誰か」がなかなか現れず、事実上、「私」の遺産が放置されるような状況になりがちです。これを回避するためには、遺言書を作成して、自身の財産を託したい相手を指定しておくことをお勧めいたします。

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この記事を担当した執筆者
弁護士法人 みそら総合 代表弁護士 細川 治
保有資格 弁護士
専門分野 相続問題全般、不動産、企業顧問
経歴 2000年10月 司法試験合格 2001年 4月 最高裁判所司法研修所 入所(第55期) 2002年10月 弁護士登録 2002年10月 浜垣法律事務所 入所 2006年 3月 山城ひまわり基金法律事務所 所長就任 2010年 4月 山城みそら法律事務所 設立 2021年 3月 弁護士法人みそら総合 代表社員就任
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