遺産分割協議の期限はありますか？
A．遺産分割協議それ自体には期限はありません。
法律上、いつまでに遺産分割協議をしなければならないとは定められていません。
しかし、遺産分割協議をせずに長期間放置していると、次々と相続が発生し、相続人が増えてしまいます。土地を処分しなければならなくなり、いざ必要に迫られて遺産分割協議をしようとすると、相続人が多数にのぼったり、権利関係が不明確になっていたりして、協議が難航することも少なくありません。
また、関連して、令和5年4月1日施行の改正民法により、相続開始（故人が亡くなった日）から10年を経過しても遺産分割協議が成立せず、遺産分割調停も申し立てられていない場合等は、特別受益も寄与分も主張することができなくなりました（民法第904条の3）。つまり、法定相続分又は指定相続分に従って遺産分割協議を行うことになります。
なお、前記条文は、令和5年3月31日以前に開始した相続にも適用されますが、平成30年3月31日以前に開始した相続においては、令和10年3月31にtいまでに遺産分割の申立てを行えば特別受益や寄与分を主張することができます。
このように、前記条文は、特別受益や寄与分を主張したい相続人にとっては、相続開始後10年が遺産分割協議に関する事実上の期限となり得ることから、重要です。
その他、相続税の申告期限や、相続税の申告における控除を受けるための期限もありますので、ご注意ください。
この記事を担当した執筆者
- 弁護士法人 みそら総合 代表弁護士 細川 治
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保有資格 弁護士 専門分野 相続問題全般、不動産、企業顧問 経歴 2000年10月 司法試験合格 2001年 4月 最高裁判所司法研修所 入所（第55期） 2002年10月 弁護士登録 2002年10月 浜垣法律事務所 入所 2006年 3月 山城ひまわり基金法律事務所 所長就任 2010年 4月 山城みそら法律事務所 設立 2021年 3月 弁護士法人みそら総合 代表社員就任
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