共有不動産の売却に他の共有者が同意しない場合は、どうすればよいですか？
Ａ．共有不動産の売却を行うには、共有者全員の同意が必要です。そのため、他の共有者が同意しない場合は、売却できず、他の共有者に対して共有物分割請求をして共有を解消するか、自身の持分のみの売却を検討することになります。
共有物の分割請求
共有物の分割請求は、他の共有者に対して行うことになります。具体的な方法としては、主に次の３つです。
全面的価格賠償 共有者のうちの特定の者が、共有物全体を取得し、他の共有者に代償金を支払う方法
現物分割 土地を分筆して、各共有者がそれぞれの分筆後の土地を単独で所有する方法
換価分割 共有物を売却し、その売却金を共有者の共有持分に応じて分ける方法
- 共有物の分割請求も、遺産分割と同様に、まずは他の共有者との協議から始め、協議が調わない場合には簡易裁判所の調停（簡易裁判所）で話し合うことになります。調停が成立しない場合は、簡易裁判所または地方裁判所に共有物分割請求訴訟を提起し、最終的には判決によって分割方法を判断してもらいます。
なお、全面的価格賠償では不動産鑑定士による鑑定、現物分割では土地家屋調査士による測量等に関してまとまった費用が発生することがありますので、ご留意ください。
共有持分の売却
自身の共有持分の売却については、他の共有者の同意は不要となりますので、単独で行うことができます。
もっとも、共有持分のみの買取希望者は見つからないことが多く、見つかったとしても、売却代金は、不動産全部を売却する場合の共有持分相当額と比べて安くなってしまうのが実情です。
この記事を担当した執筆者
- 弁護士法人 みそら総合 代表弁護士 細川 治
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保有資格 弁護士 専門分野 相続問題全般、不動産、企業顧問 経歴 2000年10月 司法試験合格 2001年 4月 最高裁判所司法研修所 入所（第55期） 2002年10月 弁護士登録 2002年10月 浜垣法律事務所 入所 2006年 3月 山城ひまわり基金法律事務所 所長就任 2010年 4月 山城みそら法律事務所 設立 2021年 3月 弁護士法人みそら総合 代表社員就任
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