亡くなった親が住んでいた自宅不動産の名義を調べる方法は？
Q． 亡父の相続人は、母（城陽市）と私（宇治市）の2人です。相続登記の申請が義務化されたと聞いて、亡父名義の自宅不動産について名義変更をしていたか気になりました。自宅不動産についての固定資産税の納税通知書の「納税義務者」欄には、「代表者」として母の名前が記載されています。そうすると、自宅不動産は、母への名義変更ができていたことになりますか。不動産の名義を調べる方法を教えてください。
A．自宅不動産の名義は、亡父のままで、母への名義変更ができていない可能性が高いといえます。正確な登記名義は、法務局で取得できる土地・建物の登記事項証明書等で確認しましょう。
1.登記事項証明書の請求方法（法務局）
不動産の登記名義は、法務局で取得できる土地・建物の登記事項証明書で確認することができます。登記事項証明書は、請求書を登記所の窓口に提出する方法のほか、郵送やオンラインによる請求も可能です。
また、単に登記名義を確認するだけであれば、登記情報提供サービス（有料）を利用して、法務局が保有する登記情報（PDF）をパソコン等の画面上で確認する方法もあります。ただ、この場合は、登記事項証明書と異なり、証明文や公印等が付加されません。
2.相続人代表者の指定（市町村）
「納税義務者」欄の表示
土地や家屋の所有者が亡くなった場合は、その相続人が固定資産税等の納税義務を承継します（地方税法第9条第1項）。相続人が2人以上あるときは、相続人は、賦課徴収や還付に関する書類を受領する代表者を指定することができ（同法第9条の2第1項）、また、市町村の長は一定に場合に代表者を指定することができます（同法第9条の2第2項）。
このようにして相続人代表者が指定されると、納税通知書の「納税義務者」欄に「代表者」の表示がなされるのです。
相続登記との関係
所有権の移転登記（相続登記）が行われると、法務局から土地・家屋のある市町村に通知されます。
そのため、12月31日までに相続登記がなされると、市町村は、1月1日現在の名義人宛に翌年度の固定資産税の納税通知書を送付します。このことは、相続登記の前に相続人代表者が指定されていた場合でも同じで、この段階の納税通知書には「納税義務者」欄に「代表者」の表示はありません。
よくある誤解
よくあるケースは、死亡届の提出からしばらくして、市町村役場から配偶者宛に相続人代表者指定届が郵送されたため、配偶者が自身を相続人代表者として届け出て、これにより不動産の名義変更をしたと誤解されているというケースです。
この場合は、配偶者が他の相続人に名義変更をしたと伝えていることが多く、他の相続人としても、固定資産税等の課税通知書が届かないため、名義変更の未了になかなか気づくことができません。
もし、名義変更ができていない場合で遺言がないときは、遺産分割協議をして名義変更を行う必要があります。
≫不動産の相続でお困りの方へ
≫相続登記の申請義務化について
この記事を担当した執筆者
- 弁護士法人 みそら総合 代表弁護士 細川 治
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保有資格 弁護士 専門分野 相続問題全般、不動産、企業顧問 経歴 2000年10月 司法試験合格 2001年 4月 最高裁判所司法研修所 入所（第55期） 2002年10月 弁護士登録 2002年10月 浜垣法律事務所 入所 2006年 3月 山城ひまわり基金法律事務所 所長就任 2010年 4月 山城みそら法律事務所 設立 2021年 3月 弁護士法人みそら総合 代表社員就任
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