突然、遺産分割協議書の押印を求められました。どうしたらいいですか?
Q. 突然、遠方の叔父から遺産分割協議書が届き、署名押印するように求められました。遺産分割協議書は、叔父が亡祖父名義の不動産を叔父が取得して、私(城陽市在住)は何も取得しないという内容です。亡祖父の相続人は叔父と私の2人ですが、祖父の遺産について話したことはありません。どうしたらいいですか。
A.相続人間で協議がないまま遺産分割協議書が突然送られてきた場合は、専門家(弁護士、司法書士)に相談し、遺産分割協議書の内容を慎重に検討することをお勧めします。
1.遺産分割協議書の意義
遺産分割協議書とは
遺産分割協議書は、相続人全員で合意した遺産分割の内容を記載した文書で、相続人全員が1通の用紙に署名押印します。
遺産分割協議証明書とは
遺産分割協議書に似た書類として、遺産分割協議証明書(遺産分割証明書)があります。遺産分割協議証明書も、相続人全員で合意した遺産分割の内容記載した文書ですが、相続人の人数分作成して、それぞれの相続人が署名押印する文書です。
遺産分割協議書と遺産分割協議証明書の違いは、次のとおりです。
遺産分割協議書 | 遺産分割協議証明書 | |
記載する内容 | 相続人全員で合意した遺産分割の内容 | |
署名押印する人 | 相続人全員 | 1人 |
作成枚数 | 1枚~相続人の人数分 | 相続人の人数分 |
遺産分割協議書等の重要性
このように遺産分割の内容を明らかにする遺産分割協議書や遺産分割協議証明書は、遺産に関する権利関係を示す重要な文書であり、不動産の名義変更や、預貯金の解約・払戻し、株式の名義変更等の相続手続を進めるために必要な書類となります。
そのため、「私」が遺産分割協議書の内容について不明な点や気がかりな点があるのに、“とりあえず署名押印して、あとで叔父に聞いてみよう”などと思って安易に署名押印することは避けるべきです。
≫Q&A 遺産分割協議書は必ず作成しなければなりませんか?
≫遺産分割協議書の作成方法
2.あるべき遺産が記載されていない遺産分割協議書への対応
預貯金
通常は、亡くなった方の名義の預貯金が存在します。特に亡くなった方が年金を受給していた場合や賃金を得ていた場合は、口座振込で受け取られていることが多いでしょう。
そのため、遺産分割協議書に預貯金の記載がない場合は、遺産分割協議書を送ってきた相続人に対し、預貯金の有無や額等を確認することをお勧めいたします。
預貯金の有無等に関しては、ご自身で金融機関に照会することも可能ですが、あらゆる金融機関に照会することは現実的ではありません。亡くなった方の住所、勤務地、職業等から預貯金がありそうな金融機関を複数に絞り込めると、照会の負担が軽減されます。
自宅不動産
遺産分割協議書に亡くなった方の自宅不動産が記載されていない場合は、土地建物の登記事項証明書で登記名義を確認しましょう。自宅不動産が亡くなった方の遺産でない場合でも、生前に相続人へ贈与されていたときは特別受益に該当する可能性がありますので、その意味でも確認することは重要です。
また、古い建物については登記されていないことがあります。未登記の建物については、不動産の所在地の市町村役場で名寄帳や固定資産評価証明書を取得して、建物の特定に必要な事項(所在、構造等)や固定資産税評価額を確認しましょう。
3.ご自身が何も取得しない遺産分割協議書への対応
よくあるご相談の一つが、ご自身(質問の「私」)が何も遺産を取得しないという内容の遺産分割協議書が突然届いたというケースです。遺産は被相続人の自宅不動産くらいで、それを単独で取得したい相続人が、他の相続人に対して遺産分割協議書を送ることが多いように思います。
代償分割
質問のケースのように相続人が少ない場合において、「私」が自宅不動産の取得は望んでいないものの、金銭での調整を望むときは、不動産の取得を希望する叔父に対して、「私」の相続分に見合う代償金の支払(代償分割)を求めることになります。
代償分割で合意した場合は、代償金の額や支払期限等についても遺産分割協議書に記載します。
相続分の譲渡
質問のケースと異なり相続人が多い場合において、「私」が特別受益等を主張せず、法定相続分を前提に協議するときは、叔父に対して「私」の相続分を有償で取得してもらい(相続分の譲渡)、「私」は遺産分割協議に加わらないという方法も考えられます。
この方法によると、「私」から叔父への相続分譲渡が完了すれば、仮に叔父が他の相続人との間で揉めていても、「私」は遺産分割の問題から早々に解放され、叔父としても他の相続人と揉めている間に「私」の心変わりを防止できます。
相続分の譲渡を合意した場合は、「私」と叔父で相続分譲渡証書を作成し、「私」の印鑑証明書を叔父に渡すことで足り、「私」が遺産分割協議書に署名押印する必要はありません。
4.経験豊富な専門家へご相談を
遺産分割協議書が突然送られてくるケースでは、遺産分割協議書を送る相続人と送られた相続人とでは、遺産に関して有している情報に大きな差があることが通常です。
そのため、遺産分割協議書を送られた相続人は、少ない情報をもとに、どのように対応するかを検討しなければならず、不安も多いことでしょう。そのようなときは、まず、経験豊富な弁護士などの専門家に、遺産分割協議書の内容の確認と具体的な対応を相談されることをお勧めいたします。
当事務所では、初回の法律相談料は無料です。遺産分割協議書の内容確認を含むご相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
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