強硬な主張をする相続人がいる遺産分割

相続でよくあるご相談
遺産分割のご相談では、相続人の一人が強硬な主張を繰り返し、話し合いが進まないというケースが少なくありません。
例えば、次のような主張です。
- 遺言書はないのに、「生前、被相続人から“財産は全部やる”と言われていたから、自分が遺産の全てをもらうべきだ」言われている
- 根拠なく、「あなたは生前に十分もらっている」と言われる
- 「介護してきたから、自分が遺産の全てをもらうべきだ」と言われている
- 「実家や先祖代々の土地は守っていくべきだ」と言われて、自分では管理が難しい不動産を押し付けられそう
このような主張がされている場合は、当事者同士での冷静な話し合いが難しく、遺産分割が長期化・紛争化する原因になってしまいます。
強硬な主張をする相続人がいると遺産分割が難しくなる理由
主張の「強さ」と「法的に認められるか」は別問題
相続の場面では、声が大きい、態度が強い、感情的に訴える――といったことが、法的な正当性を持つわけではありません。
しかし、実務では、
- 強硬な主張に他の相続人が萎縮してしまう
- 法的な評価が分からず、反論できない
- 争いを避けようとして不利な条件を受け入れてしまう
といった事態が起こりがちです。
このような事態を回避するためには、他の相続人の主張を法的観点から適切に評価することが重要です。
典型的な「強硬な主張」と法的な評価
多額の寄与分を主張するケース
寄与分が認められるためには、被相続人の財産の維持・増加に特別の貢献があったことを証拠資料(特に客観的な証拠資料)に基づいて立証する必要があります。
例えば、「介護をしていた」、「面倒を見ていた」という主張だけで、直ちに寄与分が認められるわけではありませんし、寄与分の金額も決まりません。
証拠なく特別受益を主張するケース
特別受益についても、生前贈与等の事実、その金額や内容を裏付ける証拠資料が必要です。単なる推測や記憶だけでは、法的に評価されません。
「○○は自分ために遺すと言われた」と主張するケース
遺産分割協議においては、ある相続人が「被相続人から○○(例えば収益不動産)は自分のために遺しておくと言われた」などと主張して、遺産の全部又は大部分の取得を求めることがあります。
このような主張は、その被相続人の発言が遺言(のようなもの)であるという前提でなされますが、遺言書が存在しない以上、被相続人の生前の発言(とされるもの)が遺産分割の内容を決めることはありません。
強硬な主張をする相続人がいる場合の遺産分割の進め方とポイント
① 判断の軸となる基本的な視点
強硬な主張をする相続人がいる場合は、その主張が
- 気持ちとして理解できるか(感情論)と
- 法律上認められるか(法律論)を
区別して整理することが大切です。
遺産分割のトラブルは、最終的に調停・審判といった家庭裁判所の手続で解決されることになります。
そのため、当事者同士の話し合いの段階から、「裁判所ではどう見られるか(どう判断されるか)」という視点(法律論)を判断の軸として持ちましょう。
② 主張には必ず「根拠」と「証拠」が必要
寄与分や特別受益の主張は、
- どの法的構成に基づくのか
- それを裏付ける証拠があるのか
を整理する必要があります。
法的構成については、当事者同士の協議では意識されていないことも多いように感じます。
しかし、法的構成によっては消滅時効期間が経過していたり、金額が大幅に減ったりします。そのため、寄与分や特別受益を主張された場合は、即答せず、弁護士に相談されることをお勧めます。
③ 話し合いが困難な場合は調停を視野に入れる
強硬な主張を繰り返す相続人がいる場合は、当事者同士で協議を続けても、精神的負担が大きくなるばかりで、解決の糸口が見つからないことが少なくありません。
このような場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用すると、調停委員を通じて、法的視点に基づいた冷静な話し合いが可能になります。
話し合いが困難な場合は、遺産分割調停を視野に入れてみましょう。
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強硬な主張をする相続人がいる相続で弁護士に依頼するメリット
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法的に通る主張・通らない主張を明確にできる
弁護士に依頼することで、判断の軸を持てるようになります。
例えば、
- 他の相続人の主張が法的に認められる余地があるのか
- 反論する必要がある点
- 受け入れる必要がある点と、無理に譲らなくてよい点
を整理することができます。
相続人との交渉や調停・審判で代理人になることができる
弁護士に依頼すれば、交渉や調停・審判の代理人のみならず、相続人や遺産の調査といった初期対応から、遺産分割後の相続手続きまで一貫して任せることができます。
強硬な主張がある相続でも、窓口を一本化したまま、解決まで進められる点が大きなメリットです。
また、対立している相続人から距離を置けるため、精神的な負担も軽減されます。
不利な条件での合意を防げる
法的根拠のない主張に押し切られ、後から「やっぱり納得できない」と後悔するケースもあります。
弁護士が関与することで、法的に妥当なラインを維持した解決を目指すことができます。
当事務所の相続サポートについて
当事務所では、京都府南部(京田辺市、城陽市、宇治市など)やその周辺(枚方市など)を中心に、
- 強硬な主張をする相続人がいるケース
- 寄与分・特別受益が争点となるケース
- 遺産分割調停・審判に発展したケース
を数多く取り扱ってきました。
相続人の強硬な主張にお悩みの方は、一人で抱え込まず、早めに当事務所の弁護士にご相談ください。
話し合いが「つらい」「分からない」と感じたら、ご相談の目安です。今の状況やお気持ちを丁寧にお聞きし、法律上の整理と無理のない進め方をご提案いたします。



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