疎遠な相続人がいる場合の遺産分割

相続でよくあるご相談
相続のご相談の中で特に多いお悩みの一つは、次のように「疎遠な相続人がいるケース」です。
- 他の相続人の住所や連絡先が分からず、遺産分割協議を始められない
- 相続人の中に何十年も連絡を取っていない人がいる
- 過去のある出来事がきっかけで関係が悪くなった相続人がいる
- 面識のない相続人がいる
遺産分割は、相続人全員の合意が必要です。
たとえ相続財産が少額であっても、疎遠な相続人が一人でもいると、手続きが長期化・複雑化しやすくなります。
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疎遠な相続人がいると遺産分割が難しくなる理由
相続人全員の参加が法律上必要
遺産分割協議は、法律上、相続人全員で行わなければ無効です。ある相続人と「関わりたくない」、「連絡がつかない」といった事情があったとしても、その相続人を除外することはできません。
感情的対立が表面化しやすい
疎遠になった背景には、過去のトラブル、介護負担の不公平感、金銭問題などがあることも少なくありません。被相続人が亡くなったことをきっかけに蓄積された不満が噴き出し、冷静な話し合いが困難になるケースがあります。
他方で、そのような背景がなくても、疎遠であるが故に疑心暗鬼になってしまい、返答がない又は返答に時間がかかるケースもあります。
こうした事態を避けるためにも、遺産分割の基本的な仕組みを正しく理解しておくことが重要です。
疎遠な相続人がいる場合の遺産分割の進め方
① 相続人調査を正確に行う
まずは、戸籍を遡って法定相続人を漏れなく確定することが不可欠です。疎遠な相続人であっても、法律上認められた相続権がある限り、無視はできません。
相続人調査は、戸籍・除籍・改製原戸籍を用いて行います。被相続人が亡くなった時期によっては適用される民法が変わるため、改正法の施行日の確認も欠かせません。
② 連絡が取れない場合の対応
住所が不明な場合でも、戸籍の附票や住民票の除票等を利用して所在調査を行うことが可能です。
それでも不明な場合には、相続人が行方不明の場合の遺産分割として、不在者財産管理人の選任の申立てを検討します。
③ 話し合いができない場合は調停を視野に
感情的対立が強い場合は、当事者同士で交渉を続けると、さらに関係が悪化することも少なくありません。
その場合は、家庭裁判所での遺産分割調停の利用を検討しましょう。調停では、第三者(調停委員)を交えた話し合いが可能になります。
また、他の相続人から返答がもらず長期間経過している場合も、遺産分割調停の利用が効果的です。
調停は他の相続人が出席しない場合にも不成立となり、その場合は、審判官(裁判官)による審判手続が予定されています。
つまり、調停が成立しなくても審判で遺産分割の方法が決まりますので、調停の利用は解決に向けた第一歩といえるでしょう。
疎遠な相続人がいる相続で弁護士に依頼するメリット
1 相続人との直接交渉を任せられる
弁護士が代理人となることで、心理的な負担を大幅に軽減し、不要な感情的対立を回避することができます。
また、弁護士が代理人となった場合は、他の相続人は遺産分割の問題を放置できない段階になったと認識され、早期に具体的な返答をされるなど遺産分割協議が前進する傾向にあります。
2 法的に有効な手続きを一貫して進められる
疎遠な相続人がいる相続では、話し合いがまとまらず、調停や審判に進むケースも少なくありません。
弁護士であれば、相続調査から、他の相続人との交渉、遺産分割調停・審判への代理人としての出席、相続手続きまで一貫して対応可能です。つまり、紛争化しても、引き続き代理人として相続に関する法的手続きを進めることができます。
3 不利な条件を押し付けられるのを防げる
疎遠な相続人が突然強硬な主張をしてくるケースも少なくありません。
しかし、その主張が法的根拠や証拠に基づくものであるかの判断は容易ではなく、それに対する反論は理論的なものが求められます。
弁護士が代理人に就任した場合は、当然ながら法的な検討や主張を行いますので、知らず知らずのうちに不利な条件を押し付けられたり、不利な条件と感じつつも十分に反論できないために押し切られたりする状況を回避できます。
当事務所の相続サポートについて
当事務所では、疎遠な相続人がいるケースを含め、相続トラブルに発展しやすい遺産分割案件を多数取り扱ってきました。
弁護士に依頼する=裁判(遺産分割調停・審判)というイメージがあるかもしれませんが、当事務所では、「できるだけ揉めずに終わらせたい」というご要望にも配慮し、安易に遺産分割調停を勧めることはいたしません。
ただ、相続は、一度こじれると長期化しやすい問題です。こじれてしまうと調停や審判を利用せざるを得ない状況になってしまいます。
そのため、できる限り円満に解決するためには、
- 疎遠な相続人に連絡する前
- 遺産分割協議をする前 等
トラブルに発展する前に弁護士にご相談いただき、想定されるトラブルへの対処法を検討しておくことが大切です。
疎遠な相続人がいる遺産分割でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。



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