親が認知症になったら資産管理はどうすればいいですか?
A:認知症になった場合には、成年後見制度を利用することをお勧めします。
認知症などで判断能力が不十分なため、財産管理や介護サービスの契約などを自分で行うことが難しくなった人を、法律的に支援する制度です。成年後見人が本人に代わって介護サービスの契約を結び、財産管理を行うことになります。
成年後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」の三つに区分されます。判断能力がない場合には「後見」、判断能力が不十分な場合には「保佐」や「補助」となります。この区分に応じて後見人(「保佐」や「補助」の場合は、「保佐人」「補助人」となります)の権限が異なります。
成年後見制度では、家庭裁判所が年1回、本人の資産の管理状況を確認するので、親の資産の収支を明確にすることが可能です。後々、相続に際して、認知症の親のお金を使い込んだなどと主張されることを未然に防ぐこともできます。
また、判断能力が十分あるうちに、本人の意思であらかじめ後見人を決めておくこともできます(任意後見制度)。これは、任意後見契約を公正証書で行う必要があり、本人の判断能力が実際に不十分になった場合に、任意後見人が家庭裁判所にその旨を申し立て、現実の後見が開始されることになります。任意後見制度を利用する場合には、事前に専門家へ相談しておくことが望ましいでしょう。
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