遺言に有効期限はありますか?
A.遺言に有効期限はありません。
遺言の作成時期については、できるだけ健康が保たれているうちが望ましいといえますが、あまりに早い時期に作成した場合でも有効性は保たれるのでしょうか。法律上の概念としては、債権の消滅時効というものがあって、一定時期が経過すると権利が消滅してしまう権利もあるので、ご心配の点もあるかもしれません。
しかし、結論としては、遺言には有効期限というものはありません。民法上、遺言は満15歳以上であれば作成できることになっていますが、例えば20歳のときに作成して、亡くなられたのが100歳であったとしても、有効期限が切れるということはなく、その意味では有効性に問題はありません。
なお、有効期限とは直接関係はありませんが、公正証書遺言の保管期間について、日本公証人連合会のホームページの記載によると、次のような説明がされています。
公正証書の保存期間は、公証人法施行規則27条で、20年と定められています。さらに、同規則では、特別の事由により保存の必要があるときは、その事由のある間は保存しなければならないと定めています。
②公証実務における遺言公正証書の保存期間
遺言公正証書は、上記規則の「特別の事由」に該当すると解釈されており、遺言者の死亡後50年、証書作成後140年または遺言者の生後170年間保存する取扱いとしています。
このように、公正証書遺言は極めて長期間にわたり保管をされる取扱となっていますので、この点からも公正証書は安全性、信頼性が高いものといえると思います。
一方で、自筆証書遺言については、一般的に紛失や破損等のおそれが指摘されていますので、長期間にわたる保管が予定される場合には、公正証書遺言を選択するほうがよいと思われます。
なお、法務省のホームページによると、自筆証書遺言についても法務省における保管制度を利用した場合には、遺言書原本は遺言者の死亡の日から50年、遺言書の画像データを含む情報は遺言者の死亡の日から150年間保存されるとされています。
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