自宅不動産を取得したいけれど、多額の代償金を払えない場合はどうすればいいですか?
A.①相続人全員の合意のもと、代償金を長期の分割で支払う方法、②自宅不動産を担保に入れて金融機関から借り入れる方法が考えられます。
自宅不動産に居住を継続したい場合は、できれば単独で所有しておくことが、後のトラブルなどを防ぐことになると思います。共有状態にしておくと、将来的に管理や処分方法の意見に食い違いがでてくることがあるからです。ただし、そうなると他の相続人に代償金(法定相続分の対価)を支払う必要が生じてきます。
例えば、兄妹3人が相続人の場合、自宅不動産の評価が3000万円であれば、他の相続人2名に1000万円ずつを支払う必要があります。
遺産のなかに、預貯金や有価証券などが含まれていれば、これを他の相続人が相続することにより解決することができますが、それに見合う預貯金などがない場合には、いわば自腹を切って代償金を支払う必要があります。手持ちの現金や預貯金などによって支払うことができればよいですが、そうではない場合には次のような方法が考えられます。
一つの方法は、代償金を長期の分割で支払うことです。これについては相続人全員が合意をする必要があり、またその内容は遺産分割協議書に明記しておく必要があるでしょう。
もう一つは、相続する自宅不動産を担保にいれて金融機関からの借入をすることで代償金の原資を確保することが考えられます。これには当然金利がかかってしまうので、解決方法として適切かは慎重な検討が必要です。
このような方法を取ることが難しい場合には、自宅不動産をそのままの状態で取得するというのは難しいケースが多いと思います。ただし、自宅不動産の土地が広大であるような場合は、土地の分筆などにより、その一部を取得する(その他の土地は他の相続人が取得したり、売却などをして清算する)ということは考えられます。
そのような方法も難しいという場合には、自宅不動産を売却したうえで、相続人間で売却代金を分割するほかないように思われます。
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