遺産分割にはどのような方法がありますか?
A.遺産分割の方法は、①現物分割、②代償分割、③換価分割および④共有分割の4つになります。
現物分割
現物分割とは、個々の財産の形状や性質を変更することなく分割する方法です。例えば、相続人Aがa銀行の預金を、相続人Bがb銀行の預金をそれぞれ相続するというように分ける方法です。
わかりやすい分割方法ですが、現物分割のみでは法定相続分どおりに分けることが難しいため、実際のケースでは代償分割等と組み合わせることになります。
代償分割
代償分割は、一部の相続人に法定相続分を超える額の相続財産を取得させた上で、他の相続人に対して債務を負担させる方法です。
例えば、相続人はAとBの二人で、相続財産は自宅不動産とわずかな預金のみという場合において、相続人Aが自宅不動産を、相続人Bが預金をそれぞれ取得し、遺産を多く相続した相続人Aが相続人Bに対して代償金を支払うという方法です。
極論を言えば1円単位で代償金の調整ができるため、相続財産を公平に分けることができます。もっとも、代償金が高額になることもあるため、代償金を相続人自身の財産から支払えないときは選択できない方法となります。
換価分割
換価分割は、相続財産を売却等で換金した後に、代金を分配する方法です。
相続財産の価値で対立することが多い代償分割と異なり、実際に売却して得た代金を分割するため相続財産の価値で対立することはありません。もっとも、売却に要する費用(仲介手数料等)や譲渡所得税等がかかる点は注意が必要です。
共有分割
共有分割は、相続財産を複数の相続人で共有取得する方法です。例えば、一般的に価値の高い不動産で取られます。
共有されている不動産は、共有者全員の合意がなければ処分(売却等)できず、共有者の誰かが亡くなると権利関係が複雑になるため、実際のケースではお勧めできないことが多い方法です。
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