失踪宣告がされた場合の相続開始日はいつ?

Q.認知症の父が2015年10月1日に突然家を出て、行方不明の状態が10年以上続いています。とても悩みましたが、父名義の実家(枚方市)の建物が老朽化して解体が必要になったこともあり、先日、家庭裁判所に普通失踪宣告の申立てを行いました。この場合、父の相続は、「審判の日」に始まるのでしょうか?
A.普通失踪の場合、父が法律上死亡したとみなされる日(相続開始日)は、生死不明の状態になってから7年経過したときです。ご質問のケースの場合、審判が確定すると、生死不明(行方不明)から7年が経過した2022年10月1日が相続開始日となります。
失踪宣言とは
長期間の行方不明などで、生死不明の状況が続いていると、生死不明の方の財産管理や相続ができないといった問題が生じます。
そこで、家庭裁判所の手続きを経て、生死不明の方を法律上死亡したとみなすのが「失踪宣告」という手続きです。
失踪宣告が確定すると、生死不明の方は法律上死亡したものと扱われ、相続が開始します(民法第31条、第882条)。
しかし、「いつ相続が始まるのか」、つまり「相続開始日(死亡とみなされる日)」は、裁判所が失踪宣告の審判をした日ではなく、失踪の状況によって異なります。この点を正確に理解することが、その後の相続手続きを円滑に進める上で極めて重要です。
失踪宣言の相続開始日
失踪宣言の種類
失踪宣告には「普通失踪」と「特別失踪(危難失踪)」の2種類があり、以下のとおり、相続開始日が異なります。
|
失踪宣告の種類 |
生死不明の期間・状況 |
相続開始日 (法律上の死亡日) |
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普通失踪 |
生死不明の状態が7年間続いた場合 |
7年間の期間が満了した時 |
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特別失踪 |
戦争や災害などの危難に遭遇し、危難が去った後1年間生死不明の場合 |
危難が去った時(危難発生時ではない) |
普通失踪の場合
前記の表のとおり、相続開始日は、生死不明になってから7年間の期間が満了したときで、裁判所が失踪宣告を決定した日(審判が下された日)ではありません。7年の期間が経過した瞬間に死亡したとみなされます。
(例) 2020年4月1日に家を出たきり行方不明になった場合
→ 相続開始日は、7年後の2027年4月1日となります。
特別失踪(危難失踪)の場合
特別失踪について規定する民法第30条第2項は、特殊な状況下で生死不明になった場合に適用されます。
船舶の沈没であれば「沈没した時」、火災であれば「鎮火した時」など、危難による死亡の可能性が最も高まった時点が死亡日とされます。
(例) 船舶が2025年1月1日に沈没し、行方不明となった場合
→ 相続開始日は、沈没した時点、すなわち2025年1月1日とみなされます。
相続手続き上の重要な注意点
失踪宣告による相続手続きには、通常の相続にはない注意点があります。
相続放棄の熟慮期間の起算日
相続人が、多額の借金などマイナスの財産を相続しないために「相続放棄」をする場合、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内(熟慮期間)に手続きを行う必要があります(民法第915条1項本文)。
失踪宣告による相続開始の場合は、熟慮期間の起算点は、失踪宣告の審判が確定したことを知った時です。
具体的には、失踪宣告の審判の確定を待って初めて相続が確定的に開始するため、相続放棄の期間は審判確定日から起算(カウント)されることになります。
失踪宣言の取消し(生還)があった場合
失踪宣告を受けた方が、実は生きていた(または死亡時期が異なった)ことが判明した場合は、本人又は利害関係人には、家庭裁判所に失踪宣告の取消しを申し立てることができます(民法第32条)。
効果
取消しの審判が確定すると、失踪宣告は遡って効力を失います。
財産の取り扱い
相続によって財産を取得した人は、原則として、その受け取った利益が現在残っている限度で、本人に財産を返還しなければなりません。
この失踪宣告取消し時の財産返還や利害関係の調整は、複雑な法律問題に発展することが多いため、専門的な助言が不可欠といえるでしょう。
まとめ
失踪宣告は、残されたご家族にとって感情的にも手続き的にも非常に重い判断を伴います。相続開始日の確定から、財産調査、遺産分割協議、相続放棄の要否の判断、さらには生還時のリスク管理まで、各手続きには専門的な知識が求められます。
当事務所では、失踪宣告やそれに伴う複雑な相続問題について、ご家族の状況に合わせた最適なサポートを提供しております。お気軽にご相談ください。



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