相続財産清算人とは何ですか?

Q.親族が孤独死をしてしまったのですが、だれも相続人がいない状態です。マンションを所有しており、管理費が発生しています。また、私は長期間にわたって介護などのお世話をして、医療費等の立替も出しています。この場合には、どうしたらよいのでしょうか。
A.遺言が作成されていない場合は、相続人でなければ法的な手続きを進めることはできません。この場合には、家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申し立てる必要があります。相続財産清算人がマンションの処分や、管理費の支払いをすることになり、また立替金の清算もしてくれることになります。
1 相続財産清算人とは
相続財産清算人とは、亡くなった方に相続人がいない場合(または相続人全員が放棄して、はじめから相続人がいなかったとみなされる場合)に、家庭裁判所によって選任され、亡くなった方の財産を管理・清算する役割を担う人をいいます。 通常は、法的処理に精通しているということで弁護士が選任されることが多いです。
以前は、このような役割を担う人を「相続財産管理人」と呼ばれていましたが、令和5年(2023年)の民法改正により、「相続財産清算人」へと名称が変更されました。
2 申立てが必要となる場合
以下のような状況でお困りの方は、選任の申立てを検討すべきです。
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天涯孤独な方の死後処理:
- 相続人が一人も見当たらないが、財産が残っており処分が必要である。
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相続放棄後の空き家・家財:
- 親族全員が放棄したが、法的な責任を負うリスクから免れるために次の管理者に引き継ぎたい。
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債権回収:
- 亡くなった方に貸付金、未払いの賃料、医療費などがある。
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不動産の共有解消:
- 共有持分を持つ相手が亡くなり、処分ができない。
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特別縁故者への財産分与:
- 長年介護に尽くした、または内縁関係にあった人が、遺産の一部を受け取る権利を主張したい。
3 選任後のプロセス
選任された相続財産清算人は、以下のようなプロセスで手続きを進めます。
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清算人の選任公告:
- 清算人が選任されたことを官報で公告します。
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財産調査と換価処分:
- 預貯金の解約、株式の売却、不動産の売却などを行い、財産を現金化します。
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債権者への支払い:
- 債権者等への公告をしたうえで、借金、未払い税金、葬儀費用の立替金などを清算します。
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特別縁故者への分与:
- 家庭裁判所の審判を経て、縁故のあった人に遺産を分与します。
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国庫への帰属:
- 最終的に余った財産を国に納めます。
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4 費用(予納金)の問題
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相続財産清算人の申立てには、実費(切手・印紙代)のほかに、「予納金」という大きな注意点があります。
予納金とは:
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清算人の報酬や手続費用(公告費用など)を相続財産だけでは賄えないと予想される場合に、申立人があらかじめ裁判所に納めるお金です。予納金の額は裁判所が決定します。
金額の目安:
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ケースによりますが、70万円〜100万円程度になることが多いです。
返還される可能性:
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財産の中に十分な現金や、売却可能な不動産がある場合は、最終的に精算されて申立人に返還されることがあります。
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5 相続放棄との関係
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「相続放棄をしたから、もう自分には関係ない」と放置するのは危険です。 民法は、相続の放棄をした人でも、「その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているとき」は、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまでの間、「その財産を保存しなければならない(保存義務)」と定めているからです(第940条第1項)。
もし放置した空き家が倒壊して他人に怪我をさせた場合は、「保存義務」に違反したとして、損害賠償責任を問われるリスクがあります。相続財産清算人を選任することは、法的に管理責任を完全に切り離すための唯一の手段とも言えます。
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まとめ
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相続人がおられない場合でも、通常は財産の最終的な処分が必要になりますが、費用負担の関係から、「誰が申し立てをするのか(費用を負担するのか)」で足踏みをしてしまうことが多々あります。 しかし、放置をしても問題は解決せず、第三者との契約関係が残っているような場合には新たな債務が発生していくことにもなります。
当法人では、
- ・特別縁故者として財産を受け取れる可能性があるか
- ・そもそも予納金が必要なケースかどうか
- ・債権者として効率的に回収を行うにはどうすべきか など、
具体的な見通しを立てた上でサポートいたします。
現在の状況を整理するためでも結構ですので、まずはお早めに、お気軽にご相談ください。



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